◎街の景色・生き物 <自然科学>

 【砥神山】        【竹島
 【仏島】         【亀岩
 【清田の大クス】    【なめくじうお
 【ひめはるぜみ

                     


【砥神山 (兎上、兎頭、十鹿見、遠鹿見)】
 蒲郡の東部に位置する砥神山は、標高235M、三谷と大塚の境を成している。形が美しいので三河富士とも言われ、ここから正月の御来光を仰ぐ人々も多い。現在、山裾の松林は切り開かれてミカン畑になっているが、山頂付近は今も大木に覆われひんやりとしている。この山から大塚にかけては、特産の赤ガエルが取れ、昔は薬用として重宝された。
 
この山は、山岳信仰をはじめとする信仰の山とあって、いろいろな伝説がある。





【竹島】

 平安末期、国司の藤原俊成が琵琶湖の竹生島から、この島に弁天様を勧請したと言われ、その時、若竹二幹を移し植えたので、この島を二竹山(ふたたけざん)と呼ぶようになり、のちに竹島と言うようになった。安産の神、雨ごいの神、海運の神として、古くから有名である。竹島の弁天様は、日本七弁天、三河三弁天の一つとして有名であり、13年目の巳年ごとに御開帳されている。

 全島八百富神社境内として天然の状態がよく保存され、対岸と全く異なる植物層を示すので、昭和5年8月文部省より天然記念物の指定を受けて現在に至っている。東海地方では他に見られぬ代表的な暖帯林として誇るべき存在であろう。



【仏島】
 仏島は、大島と小島の中程の少し沖合いにあり、元御料地であったのを、大正元年に宮内省より金10円で払い下げを受けたものである。島の岩の形が仏の立ち並ぶように似たところからこの名があるといわれる。

 しかし、昭和の初期、観光宣伝の上から縁起が悪いと、時の国鉄三河三谷駅長橋爪新太郎氏らの提案で、かもめの群集するところから「かもめ岩」と改められたものである。

 もと、この島は剣島といわれた。全島花崗岩でそれがちょうど剣を立てたように見えたからであろう。島の高さも現在の倍以上もあったのが、永正年間、今から五百年程前、大地震に伴う大津波で低くなった。この島にはいろいろな物語が秘められている。


【亀岩】
 亀岩公園は昔、海の中の島だった。海岸より沖合い約300Mの所にある小島で、緑したたる島の中央に観世音をまつっている。島なのになぜ岩と言うのか。初めて島へ渡った者が亀に似た岩礁を見つけて「亀岩、亀岩」と言っているうちに「島も亀がはったようではないか」と。ついに、それが固有名詞になったと思われる。

 昔この島は、丁半開帳にもってこいの場所であって、親分衆が、夕景からひそかに乗り込んで夜を徹して勝負を張ったといわれる。海水浴場、潮干狩の場としても賑わい、明治35年頃の来客数は約千人であった。

 当初の埋め立て計画(現浜町)では、亀岩を全部削り取って平坦面にしてその周辺の土地と共に工業用地として売却する予定であった。しかし、私有地であったため地主の同意が得られず、昭和46年10月、「臨海部開発にも自然環境を残しておく配慮が必要」との見解を明らかにすると同時に、公共用地としての公園造成計画を発表し、昭和48年7月に「亀岩公園」としてこれを完成した。


【清田の大クス】
 清田町には、千年以上もすぎたと思われるクスの大木がある。

 昔、この近くはクスが繁った野原であったろうことは、安楽寺の山号を楠林山(なんりんざん)ということからも考えられる。木のまわりが13.5M、高さが25M、幹には榎のやどり木があって、中部日本におけるクスの代表的なもので、昭和4年(1929年)天然記念物に指定された。周辺の畑地には、縄文土器、土師器片が出土する。

次のような伝説がある。

 この清田一帯はむかしはクスの樹海であったようだが、いつか次々と切り倒された。ある時、無信仰のキコリが無用のクスは俺が切ってやると、よせばいいのに妻の止めるのも聞かず切り倒したが、夕方、一本のクスの切株の所で血をはいて死んだそうな。誰言うとなく「クスの木のたたりだ」と。


【なめくじうお】
 三河大島にいる原始的な脊椎動物であって、体長五センチくらいで、形は柳の葉に似ており、色は薄桃色で、砂の中に住み、潮が満ちて来ると、口の先だけを砂の中から出して食物を取り、夜になると体をのびちぢみさせて、波状運動で水中を泳ぐ。動作は非常に早く、指を触れると目にも止まらない早さで砂の中に潜る。

 中部地方では、この三河大島だけにいる珍しいもので、昭和16年天然記念物に指定されている。

 昭和32年以降、なめくじうおの消息は確認できていない。


【ひめはるぜみ】
 御堂山近くのシイの森林には、「姫春ぜみ」とか「盤若ぜみ」とかいわれる珍しい蝉がいる。体長一九ミリ、胸に黒い斑点があり、腹は赤褐色である。この蝉は、毎年7月10日前後に10日間ぐらい活動して姿を消す。そして、飛ぶことがなく歩き、時間を決めて、2、30分ごとにあたかも夕立が木の葉に降るようにザーザーと鳴く習性があり、広葉樹の多いところを好む。千葉県や岐阜県にもいるらしいが、めずらしいので昭和32年天然記念物の指定を受けた。


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