◆とことんVol.5(070418) 平成19年4月5日発行 発行者: 市川貞也
借金700億円! こんな蒲郡に誰がした!!
平成17年度末現在、蒲郡市の借金は元金及び利息合計で約700億円あります。内訳は、普通会計の元利金が約380.1億円。 その他の元利金が約310.4億円。元利金合計は約690.6億円となります。 この約700億円の借金は多いのか、少ないのか。現市議会議長の大場久充氏が発行する「ひさみつだより 第64号」には『蒲郡市は第2の夕張市になるのか!』と財政破綻を予想するショッキングな見出しが書かれていました。そのようにならないようにチェックするのが市会議員の務めではないでしょうか。
▲平成17年度末現在市債残高 (単位:億円)
昨年、『蒲郡市財政健全化改革チャレンジ計画』が国の指導により作成されました。抜本的な行財政改革が必要だと断言し、その中で、
1.経常収支比率は県内の市の中では最も高い(最下位)数値であり、蒲郡市の財政は硬直化が進んでおり、極めて深刻な状況にあるといえます。
2.公債費比率は、平成7年度には、愛知県内で第2位であった順位が、平成16年度には24位まで下がり、県内の他市と比較しても急激に公債費負担が増加している状況がうかがわれます。
3.財政危機の主な原因
(1)バブル期以後の国の景気対策に伴う有利な財政支援措置により、多額な地方債を発行し推進したこと。
(2)競艇事業収益を財源に、これまで充実・拡充してきた行政サービスの水準を維持することに専念し、抜本的な施策見直しや財政の見直しが遅れたこと。
(3)競艇事業収益の極端な落ち込みが予測できなかったこと。
(4)その他
等、平成8年以降の財政運営に問題があったといっても過言ではありません。
何故こんなことになってしまったのか。故郷蒲郡がより良い街になってほしいと願う私にとって、居ても立ってもおれません。今年2月に右記質問書を市役所財政課に提出しました。
************** 質 問 書 **************
金原市長殿
蒲郡の借金(公債)は、利息も含めて約700億円あります。この金額が蒲郡の財政にとって何を意味するのかを知りたく思います。そこで、質問いたします。
◎借金約700億円あっても、市の財政上問題ないのか。それとも危機的な状況であるのか。そしてその理由を教えてください。
◎蒲郡市は財政破綻する可能性はありますか。財政破綻した夕張市と蒲郡市とを比較してください。
◎経常収支比率とは何ですか。蒲郡市及び近隣市町(豊橋市、豊川市、岡崎市、幸田町、西尾市)の数値を教えてください。そして、愛知県、全国での順位を教えてください。
◎地方交付税の推移を教えてください。そして、財政削減に取り組めば取り組むほど、地方交付税が減らされると聞きましたが本当でしょうか。
◎鈴木市長の在任中(H6.2〜H11.10)、大場市長時の借金約250億円から約700億円と急激に増えました。約450億円も増えた事業の内訳を教えてください。(参照:明日への思い:借金700億円)
◎約450億円も借金を増やしても問題ないと判断した理由を教えてください。
◎約450億円も借金を増やした責任は誰にありますか。
(市長、助役、収入役、市会議員、監査委員、市職員、市民 他)
◎金原市長になって、借金は横ばいです。借金を減らす必要はないのですか。
◎借金を減らそうとしない責任は誰にありますか。
(市長、助役、収入役、市会議員、監査委員、市職員、市民 他)
◎市町村合併により、合併相手の近隣市町は、蒲郡の借金を払ってくれる保証はあるのでしょうか。「返済する努力もしない蒲郡市は、仲間に入れてあげない」なんてことになりませんか。
◎競艇収入が予算に組み込まれた金額は、約1600億円と聞きます。何に使われたのでしょう。他市と比べ道路、下水等のインフラが整備されているのでしょうか。近隣市町と比較してください。
◎約700億円の借金をどのような計画で返済すべきでしょうか。毎年の返済額及び、削減事業を教えてください。
市の予算は約250億円です。予算の1%の2.5億円の毎年の返済としても280年かかります。実際は借金しての事業費を0円としても利息は増え続けますので、10数年で1000億円を越えてしまうのではないでしょうか。
◎その他で、回答すべきことがあればお願いします。
以上、よろしくお願いします。
平成19年2月14日
より良い蒲郡を目指すHP『とことん蒲郡』管理人 市川 貞也
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約1ヶ月後の3月12日に回答がありました。読んでも、よくわかりません。(紙面の都合上、HP「とことん蒲郡」に掲載しました。)質問の中で、「責任は誰にありますか」は職員では回答できないと思うのですが「病院、クリーンセンター等必要不可欠な施設を建設してきたものであり、責任を問うようなことではないと考えます。」と答えています。本当にそのように思っているのでしょうか。そんな職員は必要ありません。病院、クリーンセンター等が必要であったとしても、適正規模なのかを議会で十分審議しなければならなかったのではありませんか。きっと責任者を特定するわけにはいかないから、苦肉の策なのでしょう。すぐに上司に相談すれば良かったのだろうと思います。
「平成18年度刊 愛知県統計年鑑」によれば、蒲郡市の平均年齢は、県内35市の中で3番目に高く、市民所得は下から4番目です。この指標は最近そうなったというのではないはずです。主要産業であった繊維ロープの女工さんが県外から来て活気があったのは40年以上も前のことです。この状況を考えるならば、多大な借金をしての事業は慎重に検討しなければならないことは当然のことでしょう。それなのに平成8年以降予算編成をした市長は勿論、議会で承認した市議会議員も大きな責任があると言わなければなりません。
それでは、市長及び市会議員で構成する議会は市民の負託を受け職責を全うするに値する組織となっているのでしょうか。市長は、1人しか就職できませんので、市民が良い市長を選び、監視していかなければなりません。一方市会議員26人(次期選挙で22人)は、本当に必要でしょうか。
◆議会の現状◆
議員の仕事は、非常勤です。年4回の議会、それに付随して委員会、随時の行政チェック、市民への報告会等で、年間約60〜70日程度です。議員報酬は約800万円です。議員数及び報酬変更は、議員自ら議会で決議します。
3期12年務めれば恩給が付きます。議長は能力主義ではなく、最大会派に所属し、年功序列(4期以上)により決められます。そして、勲章がもらえます。今話題の政務調査費は年29万円。電話代、ガソリン代の領収書は提出義務はなく自ら支払証明書を作成している議員が多数います。
問題点を3つ上げます。
1.議員の資質
平成7年以降3期12年間の議員(40人)の議会活動を調査してみました。
◎質問率50%以上を満たす議員は、40人中15人、一般質問回数が年4回中3回以上(75%)の議員はたったの7人しかいません。
◎現職の一般質問回数が過半未満、又は予算・決算審査の発言回数が4回未満の議員は21人もいます。
◎平成7年以降の議長経験者(9人)の一般質問の回数は、大場久充議員、鎌田議員の2人のみ半数を超えているだけです。
◎予算審査、決算審査において、一度も発言しない現職議員は、少なくとも8人もいます。
質の向上はなかなか難しいようです。
▲市会議員の質問回数(平成7年6月〜平成19年3月)
・敬称略。議長は一般質問できません。
・B/Aは(一般質問回数/一般質問可能回数)
・*は議員任期のない期間、及び無効
・予(決)16:平成16年度予算(決算)審査特別委員会の発言回数
(未来の会通信 Vol 17より)
・※は議長、副議長、新旧監査委員は発言機会はありません。
2.議会の一般質問
議員は、年4回議会において一般質問する機会があります。現状では、3.5日間で、13人程度の議員(半分)が一般質問がされるのみです。議長を除く25人が一般質問したとすると、単純に約7日かかることになります。質問内容も重複するし、聞くほうもじっとしていられないはずです。つまり、今の方法で25人全員質問するのは無理です。
それでは、一般質問から一問一答に変えたとしましょう。今度は相当勉強しないと質問できません。その任に堪えられる議員は何人いるのでしょうか。
3.特別委員会
毎年3月定例会に次年度の予算審査特別委員会、9月定例会に前年度の決算審査特別委員会が開催されます。その際、議長、副議長等、前者では4名、後者では6名が委員会での発言ができないようです。議員が必要以上に多いためになす業であると思います。そして、発言回数も0回という議員はもってのほか、一人で20回もする(できる)というのは、委員会が十分機能していない証拠だと思います。
◆議会改革の必要性◆
今までのように市民がまちづくりを議員に託す時代から、直接参加する時代に変わろうとしています。時代にあった議員像を追求するならば、議会改革は避けられないものと確信します。理由は、7つあります。
1.議員の仕事量と報酬とのミスマッチ
上記の議会の現状の問題点から、たとえ議員数を半減したとしても、なんら議会運営には支障がないのは明らかです。そして非常勤なのですから、それに見合った報酬を得ればよいはずです。800万円は明らかに高すぎます。
2.1人では政策立案できない議員
予算編成権は市長にあり、議員にはありません。過半数の議員が賛成しないと条例立案も意味がありません。そして、「道路を作った」と実績報告する議員がいます。議員としてそのためにどんな貢献をしたのか聞いてみて下さい。一般質問で取り上げたとか、推進担当課に早く実現するよう要望した程度のことで、報酬800万円も得られるのは納得がいきません。
3.外部監査制度及び市民参加型の監査制度の導入
議員による予算、決算等のチェックは重要です。議会においては特別委員会を招集し4、5日程度集中審議します。
しかし、その程度の日数だけで約400ページもある資料を議員が十分把握できるのでしょうか。
現在の監査委員は、市役所OB1人、税理士1人、現市議会議員(1年交替)の3人の構成です。年間活動日数は約45日で、月報酬が11万円です。税理士のような市としがらみのない人が過半数は必要ではないでしょうか。これで市民の立場に立った厳正な監査が本当にできるのかと思います。
このように、他の監査制度も導入した方が、厳しくムダを追求できますので、議員の数は少なくすることができます。
4.パブリックコメントの導入
パブリックコメントとは、行政などが規制の設定や改廃をするとき、原案を公表し、事前に市民の意見や情報提供を求め、それを考慮して決定する制度です。これも住民自治の一つの手法です。これを導入すれば市長の独断はほとんどなく、議員もその結果を尊重し議決します。今ほどの議員は必要ありません。
5.ボランティアの時代=無償又はわずかな報酬
市の財政が厳しいため、今まで行ってきた行政によるサービスを、市民は無償又はわずかな報酬で受託する時代となりました。その方が、職員削減による行政改革が進み、かつ、委託された市民が、お金では変えられない心の満足が得られる場合があるからです。選挙で選ばれた議員とはいえ、非常勤なのですから委託された市民と同等であってもいいはずです。
6.市町村合併
合併は、行財政改革の一手法です。 市民に不都合になることは考えられず、そればかりか、市民に行財政改革推進を理解していただくのに絶好の案件は、市議会議員及び報酬の削減です。
下記に蒲郡市の合併パターンと市会議員数を表にしました。豊橋や岡崎と合併する際には、1桁の人数となってしまうのです。
愛知県内でも合併により市会議員の改選が行われました。北名古屋市、愛西市、清州市共に従来の議員数の約半分になりました。全国的にも1994年4月から始まった『平成の大合併』の成果として約4万人の市町村議員の半分が減るようです。しかし、合併しなくてもできることは直ぐにでもしましょう。
7.行政改革はトップから
行政改革をしなければならない時代において、まずトップからその姿勢を職員に示さなければなりません。議員が職員の削減や資質についての一般質問をよくされますが、まず”隗より始めよ”です。議員自らが既得権を放棄する姿勢を見せて初めて部下(職員)がついてくるはずです。そうすれば、平成19年度予算において、約4億円削減できる地域手当が先送りされるようなことはなかったはずです。
◆議会改革案◆
約700億円もの借金を作ってしまった議会は、責任を取らなければなりません。行政改革の先鋒として率先して実行する必要があります。
改革案を3つ上げてみましょう。
1.議員数22、報酬200万円以下
2.議員数13、報酬400万円以下
3.議員数 7、報酬800万円以下
1について、市民参加を充実すれば議員削減は当然だという考えがある一方、幅広い市民の声を代表するため議員削減すべきでないという意見もあることでしょう。その代り、報酬はしっかり下げないことには議会改革にはなりません。
2について、現状の議員数と報酬それぞれ半減した数字です。
3について、現在市民の負託に応えていると思われる議員は約6名です。この方たちには、現報酬金額を支払しても良いと思います。ただし、有能な議員が当選するとは限らないのが選挙の難しさです。
以上、1、2、3どの改革案でも1億円以上の資金が福祉や地域奨励金に充てることができるのです。さらにもっと良い案があるかもしれません。
◆市民の責任◆
借金約700億円。こんなに作らせたのは誰なのでしょう。こんなに作った市長や市会議員を選んだのは市民です。借金返済のため、今後は厳しい予算編成が必要です。が、金がなければ知恵を出せ。知恵は無尽蔵にあります。
今まで、我々は市役所に頼りすぎていました。これからは、自分達ができることは自分たちでする。そうすることが、自身の生きがいの得られる多くの機会に巡り会うことができるはずです。
市民ひとり一人がこれらのことを理解し、実践しようと心の変化が起きたとき、蒲郡市にすばらしい未来が開けることでしょう。
あなたが変わる あなたが変える あなたのために!
◆地域内分権◆
協働先進市の高浜市。高浜市の地域内分権とは何か調べてみました。地域内の町内会、PTA,子ども会等が一体となって、自主運営をする。これって、蒲郡の総代区が取り組んでいることと何か違うのでしょうか。
蒲郡の場合、各組織はあってもネットワークを構築できてないというより、構築しようともしていないのが実情だと思います。知恵を出し合い明るい蒲郡にしましょう。
下記は、高浜市地域協働部 地域政策グループ作成の「まちづくり協議会による地域内分権の推進について」(注:この資料は、表で作成されています。)
の一部です。
◎地域内分権とは?
☆地域
・地域で解決できること
・地域でしか解決できないこと
・地域で取り組んだほうがより良い方向に進むこと
・地域でやりたいこと
☆行政 「権限」と「財源」を移譲
▽決して行政からの押し付けではない地域における主体的な取り組みにより自分たちの望むまちづくりを実現
◎地域内分権に推進に向けての基本設計
・小学校区ごとの校区内の各種団体や市民の方たちの連携体制のもと地域の共通 課題などに対応した事業を展開する組織「まちづくり協議会」を立ち上げる。
・まちづくり協議会は市から必要な権限と財源の移譲を受け、自主的・主体的に 事業を実施する。
・すべての小学校区における「まちづくり協議会」の立ち上げを平成21年8月 までに完了する。
◎まちづくり協議会のメリット
☆地域型コミュニティ(A町内会、B町内会、C町内会)、個人(民生委員、団塊世代、その他個人)、テーマ型コミュニティ(PTA、子ども会、おやじの会、障害者団体、いきいきクラブ、その他団体)の融合
▽メリット
・地域における情報の共有化が図れる
・幅広い層の意見がまちづくりに反映できる
・それぞれが持つ知識や経験を活かすことにより想像以上の事業効果が期待で きる
・連携することにより人的規模などのスケールメリットが出せる
・地域に新たな財を生むためのコミュニティビジネスの展開も可能
◎まちづくり協議会の全体像
☆市役所
・拠点施設整備
・設立奨励費 50万円(5年間)
・継続活動費 50万円(均等割)、100万円(世帯割)
・実施事業加算 事業費相当額
・事業委託
・職員による支援
☆まちづくり協議会構成員
(町内会・PTA・いきいきクラブ・子ども会・おやじの会
・保育園保護者の会、地域活動グループ等)
☆市役所とまちづくり協議会との連携・支援内容
・街頭犯罪の減少
・防砂力の強化
・子どもやお母さんたちの居場所作り
・高齢者の健康増進
・環境にやさしいまちづくり
・校区の特長を活かしたまちづくり
・まちづくり協議会
より良い蒲郡を目指すHP『とことん蒲郡』
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