財政破綻の責任(070311)


 市の財政を決定、運用、監査する、市長、助役、収入役、市会議員、監査委員、職員がいます。そして、市長、市会議員を選挙により負託する市民がいます。財政破綻した場合、責任は誰にあるのでしょう。

 下記新聞のように市職員を責めてはかわいそうです。議会で決まったことを忠実に仕事をすることを求められているだけなのですから。最大の責任は市長にあり、次に助役、収入役、市会議員(順不同)、その後に監査委員という順番ですかね。とはいっても、市長、市会議員を選んだ市民の責任はどの程度なのでしょうか。

 有能な市長及び市会議員選ぶ機会が近づいてきました。地区推薦とか、党公認とかを投票判断にするのではなく、
被選挙人が何をしようとしているか見極めて行動してほしいと思います。





                     
毎日新聞(070307)
夕張市:退職幹部、破たんへの当事者意識薄く

 財政再建団体に陥った北海道夕張市を今月末で退職する幹部(部長職、次長職、課長職)のうち、毎日新聞社の聞き取り調査に応じた32人のほとんどの進路が決まっていないことが分かった。「市内に残る」と答えたのは半数以下で、過半数が職を求めて市外に出る覚悟をしている。一方で財政破たんに対し、「自身の責任を感じている」とした幹部は4分の1にとどまり、当事者意識の薄さが浮き彫りとなっている。

 人件費削減のため、市が平均30%の給与カットや早期退職勧奨を打ち出した結果、今月末で職員の約半数にあたる152人が退職する。役職別では部長職は12人全員、次長職も11人全員、課長職は32人中29人。全員が50歳以上で、このうち部長職10人、次長職9人、課長職13人の計32人が面談式の聞き取りに応じた。

 今後の進路について「いえない」の1人を除いた31人が「未定」と回答。中には「家族のいる海外で仕事を探す」(次長職)という回答もあった。退職を決めたが、求人件数が少ない北海道で、次の一歩を決めかねている様子がうかがわれる。

 退職理由はほとんどが「人件費削減への協力」だった。退職を決意した時期については、部長級の半数は財政再建団体入りの流れが表面化した昨夏。一方で、次長級以下は再建計画の骨格がまとまった11月以降が大半で、再建計画の予想以上の厳しさに、判断に迷った様子を反映している。

 大量退職による市の業務停滞も懸念し、「ボランティアで手伝いたい」(次長職)と、7人が協力の意向を見せる。しかし、「自分の仕事探しで忙しく、手伝えないのが残念」(課長職)という厳しい状況の人も多い。

 その一方で、財政破たんに対する市幹部としての責任については「チェックできなかった」「財政状況を知る立場になく、不安だったが言えなかった」(ともに部長職)、「職務に忠実だっただけ」(課長職)などの声が目立ち、責任を認めたのは9人にとどまった。【吉田競、柴沼均】

毎日新聞 2007年3月7日 1時38分 (最終更新時間 3月7日 1時45分)


                     
中日新聞 社説(070307)
見せしめで終わらすな

 財政破綻(はたん)した北海道夕張市が正式に再建団体となった。国の管理下で十八年かけ巨額の借金を返す。財政難にあえぐ自治体への見せしめで終わらせてはならない。地域再生のモデルになってほしい。

夕張再建
 応援映画祭や民間企業による植樹…。全国からの激励の輪が広がっている。住民も行政に頼らず成人式を行うなど、自治意識が芽ばえてきた。いずれも一過性に終わらせてはならない。厳しい現実にたじろがず、危機を町おこしの好機にすべきだ。

 市の再建計画では、二〇二四年度末までに三百五十三億円の赤字を解消する。粉飾決算して膨らんだ借金のツケだ。行政だけでなく、市長や市議を選んだ住民にも責任の一端はある。自ら身を削り、自助努力で解決するしかない。

 今後、市税や公共料金が引き上げられる一方、市職員は大幅に減り、図書館や美術館などの施設も閉鎖される。住民は重い負担を強いられながら、最低の行政サービスに耐えなければならない。

 政府は当初、厳しい態度で臨んだ。他の自治体への見せしめにしようとした節もある。再建計画にはバスの老人パス廃止や保育料の大幅引き上げなども盛り込まれた。私たちはお年寄りや子どもを救うための公的支援は検討すべきだと主張した。

 その後、政府と北海道は支援に転じ、老人パスの存続や保育料値上げの先送りなど、わずかに負担は緩和された。とりあえずよかった。

 ただ、気になることがある。夕張問題はテレビのワイドショーでも取り上げられ、過酷な再建策に同情が強まった。四月の統一地方選を控え、弱い者いじめにみられたくない。そんな選挙目当ての一時しのぎでは困る。息の長い支援が必要だ。

 全国には「夕張予備軍」の地方自治体も少なくない。政府は近く地方財政健全化法案を国会に提出する方針だ。自治体の財政状況をより正確に把握するため、新しい指標を導入し“黄信号”の自治体を早期発見して再建を促す。

 大阪市などの例外もあるが、財政難の自治体の多くは産業転換と高齢化の波にのまれ、人口流出が止まらないところだ。そんな地域をよみがえらす処方せんは簡単には見つからない。法案に自治体再生策が盛り込まれないのも、そのためだろう。夕張再建が成功すれば大きなヒントになる。

 夕張ショックを受け、財政危機を公にし、自主再建に動きだす自治体が増えている。統一地方選でも各地で争点になる。有権者は自分のこととして一票を投じるべきだ。


                     
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