◆まちの憲法
(051016)
日進市では、市民参加について積極的に取組んでいるようです。昨年「日進市環境まちづくり条例」を制定し、今「自治基本条例」。矢継ぎ早に進められていく改革。蒲郡市と日進市と何が違うのでしょうか。
参照:明日への思い:
市民参加行政否決
(040502)
中日新聞(051015)
ぺーぱーナイフ
まちの憲法
「議論していることすら知らなかった」。市民とともに「自治基本条例」づくりを進める日進市で、各地区での対話集会が始まった。これまで検討に三年を費やしてきたが、冒頭の集会参加者の言葉にあるように、策定に係わってない市民への浸透に課題を残す。
自治の仕組みや住民参加のあり方などを定め、自治体の「最高規範」といわれる自治基本条例。日進市の取組の特徴は、市民参加と過程重視にある。いきなり条文づくりに入っても関心を持ってもらえないと、最初の二年は体験・参加型の講座を開催。まず自分たちが住む市を知ることから始めた。その後で市民と市職員で検討会をつくって条例案を詰めている。「念入りに対話し、市民のまちづくりに対する意識を高めながら進めてきた」と市の担当者。
11日にあった対話集会での議論は活発だった。「知らなかった」と広報不足を指摘した人も、終盤には中身について積極的に質問していた。人々の意識を変えるのに特効薬はなく、こうした地道な対話や取り組みが徐々に変化をもたらしていくのだと思う。
条例に「魂」が入るかどうかは、そこに暮らす市民の意識と、それに伴う行動にかかっている。転勤で2カ月前から暮らし始めた「まちの憲法」の行方に注目していきたい。
(榊原智康)
○日進市環境まちづくり基本条例
平成16年9月30日
(前文)
天白川や身近な里山など、豊かな水と緑に恵まれた私たちのふるさと日進は、郷土の人々が長い年月にわたって、たゆまぬ努力により、自然と共生しながらこの地に合った伝統や文化を育んできました。
こうした自然的、文化的条件に加え、名古屋市の東、豊田市の西に隣接する地理的条件から、住宅が造られ、人口が急激に増加してきました。また、大学をはじめとする教育機関が数多く立地するなど、一時的な滞在者なども多くなってきました。
それにともない、市内の環境も大きく変わってきました。ごみ問題や河川の汚濁、車の排気ガスや騒音、美しい景観の減少といった問題が発生し、さらに、環境ホルモンやダイオキシン類などの各種の有害化学物質といった新たな問題も生まれ、きれいな大気、水、土壌が汚染されつつあります。
現代社会において、人は大量の生産・消費・廃棄という社会システムの中で、生活の便利さや物の豊かさを求めた結果、資源、エネルギーなどを大量に消費する社会経済活動を続けてきました。しかし、このことは環境へ大きな負荷を与え、自然の再生能力を超えるばかりでなく、地球環境を脅かすまでになっています。
もとより、すべての市民は、良好な環境の恵みにより健康で、安全で、しかも文化的な生活を営む権利を有するとともに、恵み豊かな環境を保全し、さらには快適な環境を創りだしながら、これを将来の世代に引き継ぐべき義務を担っています。
私たちは、自らが環境に負荷を与えている存在であること、そして地球環境の保全が人類共通の最重要課題であることを改めて確認しなければなりません。そして、持続的発展が可能な社会の実現のため、自然と人との共生を考え、環境への負荷の少ない循環を基調とした地域のあり方や一人ひとりの生活様式そのものの見直しや転換を図らなければなりません。
このような認識のもとに、
私たちは社会のあらゆる人々がそれぞれの役割を公平に分担し、自主的で積極的な参画と共働により、ふるさと日進の環境まちづくりを推進するため、この条例を制定します。
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