◆橋本知事辞職出直し選へ(041017)
 

 改革派の知事と守旧派の議会。知事が目立ちすぎると、議員が嫉妬する。改革するためには残念ながらこの対立が必要のようです。


 蒲郡市は、市長と議員は仲良しです。


 参考:明日への思い・公募教育長の再任否決(040926)
              市民参加行政否決(040502)

                     
読売新聞(041008)

橋本・高知県知事、13日に辞職…出直し選へ

 橋本大二郎高知県知事(57)が初当選した1991年の知事選で、陣営に不透明な資金調達があり、見返りに県発注のダム工事で談合があったとされる疑惑を巡って、同県議会は8日午後、橋本知事への辞職勧告決議案を賛成22、反対15(退席2)の賛成多数で可決した。

 決議に法的拘束力はないが、橋本知事は「県民の信を問う」として採決直後、議場内で森雅宣議長に辞職届を提出した。同日の本会議で議会が同意した。県選管は50日以内に知事選を告示する。昨年11月の知事選からわずか1年で、“出直し選”が行われることになった。

 県議会は定数41、欠員1。決議案の採決は、議長と退席者を除く37人で行われた。最大会派の自民党と、旧社会党系の「県民クラブ」の野党会派議員18人(議長除く)のほか、中立的な立場の公明党(3人)の議員らも賛成に回った。

 来年度予算の編成方針が決まった後の13日付で正式辞職する。出直し選挙は11月11日告示、28日投開票が有力視されている。

 疑惑は、知事の選挙陣営幹部(当時)が借りた選挙資金1億円を、ダム工事を談合で受注した業者からの裏金で返済したとされ、県議会調査特別委(100条委)は、談合や知事の関与も否定できないと結論づけた。

 昨年の知事選直前に浮上し、橋本知事の4選後も、県議会で自民党などが追及。橋本知事は関与を否定し、今月末までにてんまつを文書で公表するとしていたが、自民、県民ク両会派は「知事は県民の不信を招いている」として、辞職勧告決議案を提出した。

(読売新聞) - 10月8日15時8分更新



                     
産経新聞(041008)

県民不在の“抗争” 「大二郎改革」4期半ば 橋本知事辞職

 NHK記者から転身し、改革派知事の先駆けとして知られた高知県の橋本大二郎知事(五七)が八日、四期半ばで“辞職”の道を選ばざるを得なくなった。新しい政策やアイデアを次々打ち出し、職員採用時の国籍条項の撤廃など中央に対して地方の立場を主張。都道府県で最初に官官接待を全廃し、情報公開、行政の透明化にも力を入れてきた。今回のきっかけとなった初当選時の選挙資金をめぐる疑惑について一貫して関与を否定してきたが、県民の見方もさまざまに分かれる。この十三年の功罪を検証した。

 昨年十一月の知事選挙で「改革の継続」を訴え、裏金疑惑や多選批判をも跳ね返して、四選を果たした橋本氏。平成三年の初当選以来、給与制度改革や「人事への組合介入」と批判のあった人事諮問制度の廃止など、県庁内のさまざまな制度に手をつけてきた。

 県庁業務の30−50%を外部委託し、民間の仕事の創出を明言、実施されつつある。知事交際費の全面公開や国体の簡素化にも取り組み、昨年は全国初の森林環境税という新たな政策も導入した。業界や県議からの「口利き行為」の文書化などの政策でも注目された。

 もっとも、橋本氏の改革路線は県職員の意識改革という点では評価されるものの、目に見える県民生活の向上や地域振興については県民の評価は高くなかった。

 一方で、財政事情を理由に来年度から三年間、県職員の給与を3%削減することを決定。賃金カットに反対してストを実施した県職員を大量処分するなど、身内の県庁職員には容赦がない。

 また、事前の根回しを廃止したことについて「議会軽視」とする一部の県議と対立。改革への抵抗や不満はくすぶり続けており、これを裏付けたのが、今回の反知事派からの辞職勧告決議案の提出だった。


 これに対し、知事は七日の緊急記者会見で辞職勧告が可決された場合、辞任して再出馬する考えを表明。「知事不在が県政の混乱を招く」「昨年の知事選予算は六億円を超えており、財政が逼迫(ひっぱく)するなか、新たな予算が必要になる」と、県議会を牽制(けんせい)した。

 反知事派の県議は「議会への脅し」と憤る一方、親知事派の県議からも「決議前日に圧力をかけるのは議会軽視だ」と疑問の声も聞かれた。

 こうした知事と県議会の対立に、県民は「野党会派の都合優先だ」「知事の方に問題がある」と双方に対して不満が噴出している。

 県議会を傍聴に訪れた高知市桜馬場の教員、谷村寿哉さん(三六)は「談合や裏金が本当にあったのか、県民には不透明。自民会派などが、自分たちの言いなりにならない知事を交代させる口実にしているだけでは」としらけムード。一方、高知市内の男性会社員(三〇)は「こういう状態になる前に知事が疑惑についてはっきりと説明しておくべきだった。知事の側に問題があるのではないか」。県民そっちのけの“抗争”に冷ややかな視線を送っていた。

≪間髪入れず辞職願≫

 「賛成多数で可決されました」。議長が宣言すると、議場に小さなどよめきが広がった。八日、高知県議会から辞職勧告を突きつけられた橋本大二郎知事。表情を変えないまま間髪を入れずに「議長」と右手を挙げ、立ち上がって辞職願を手渡した。この日の橋本知事は午前九時ごろ、いつもと変わらない様子で登庁し、予定より三十分遅れて午前十時半から始まった県議会本会議に臨んだ。議場に入る際は口を結び、厳しい表情を見せた。

 議会棟には朝から、県議や報道関係者が慌ただしく出入り。反知事派の自民党議員は笑みを浮かべ、対照的に知事派議員の表情は硬い。各会派の控室には「会議中」の札が掛けられ、直前まで賛否をめぐる議論が続いたことをうかがわせた。

 傍聴席で約七十人の県民らが見守るなか、正午過ぎから議案の討議が始まり、賛成と反対の県議が交互に発言。「橋本県政は一定の成果を上げており、継続が必要」「突然の“辞意表明”は姑息(こそく)で知事にふさわしくない」などの意見が出た。

(産経新聞) - 10月8日16時6分更新



                     

毎日新聞(041009)

橋本高知知事辞職 元祖改革派、弱音ポロリ

 橋本大二郎・高知県知事(57)が8日、県議会から辞職勧告を突きつけられ、4期目半ばにして辞職の道を選択した。新政策を次々と打ち出し、改革派知事の“元祖”と言われたが、そのスタンドプレーぶりが県政の混乱を招く結果となった。「私の仕事の仕方がすき間を広げたかも−−」。本会議後の橋本知事からは弱音も聞かれた。

 「賛成多数で、本議案は可決されました」−−。辞職勧告決議案が可決された瞬間、橋本知事は「議長」と大きな声を上げて立ち上がり、森雅宣議長に直筆の辞職申出書が入った白い封筒を手渡した。

 橋本知事は午前10時20分ごろ、報道陣のフラッシュを浴びながら議場入り。本会議が開会し、議事が進行していく中、時折何かつぶやく様子を見せるなど落ち着かない様子。しかし、辞職勧告決議案の議事が近づくと、上着の内ポケットの辞職申出書を入れた封筒を確かめた後、まっすぐ前を見つめて採決の瞬間を待った。

 午後0時50分ごろ、起立採決が始まる直前、親知事派の会派の県議2人が退席。この日まで態度を明確にしていなかった公明、無所属議員ら4人が賛成に回り、決議案は大差ともいえる7票差で可決された。
 議会閉会後、賛成に回った議員からは「橋本知事は失政続き。辞めてもらうしかない」「橋本知事以上の候補を探したい」など意気込む声が聞かれた。

 一方、反対した議員は「選挙資金問題と決議案を同じレベルで語ってはいけない」「橋本県政の継続を願いたい」などと語った。

 また、退席した議員2人は「13年も前のことに賛成だ反対だと言うべきではない」「辞職まではしなくていいが、けじめはつけるべきだと思った」と話していた。

 橋本知事は午後2時ごろから、知事室で淡々とした表情で会見。しかし、「今の高知県を考えると、大変重要な時期に知事が不在になり、県民に迷惑をかける」と悔しさをにじませながらも、「私の仕事の仕方が従来の知事と違い、付き合いにくいということで、すき間が広がったこともあるかもしれない」と語った。

(毎日新聞) - 10月9日10時33分更新



                     

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