◆法の趣旨を無視する議長交替(040407)

地方自治法の第103条には、
@普通地方公共団体の議会は、議員の中から議長及び副議長一人を選挙しなければならない。
A議長及び副議長の任期は、議員の任期による。

と規定されています。議員の任期は4年ですから、当然、議長、副議長も4年間務めなければならないはずです。しかし、かなりの数の地方議会では1〜2年で交代しているのが実態です。

 蒲郡市の場合、毎年5月に臨時議会と称し、議長及び副議長の交替が行われます。4年に1回の一般選挙結果により多少変わりますが、所属会派が蒲郡市政クラブ(26人中17人)で、3期当選すれば副議長、4期当選で議長です。能力主義が採用されているとは思えません。平成6年以前では、与党が分裂しており、職の取り合いが激しかったようです。また、平成10年には公明党の豊田善次氏が副議長になっています。まったくの推測ですが、8期も勤めた豊田氏が次期選挙(平成11年)には出られないということで、与党的立場にあった公明党へのはからいがあったのではないかと思います。

 国でも、年に約1回大臣が変わっています。小泉首相が、その慣例を打ち破ろうとしていますが、かなり議員の批判があるようです。所詮、大臣も、議長も名誉職となってしまっているようです。

 5月の正副議長を予想すれば、議長は、市政クラブの4期以上のうち、現役の鈴木源六氏、無所属から戻ってきて、まだ副議長を経験していない小林康宏氏の2人を除く議員の中から。副議長は、市政クラブの3期の現役の土屋善旦氏を除く5人と、4期の小林康宏氏の中から決定されるのではないかと思います。正副議長選には関係のないと思われる他会派の議員の方には、このような悪しき慣例をなくすための行動を期待します。

 いずれにしても、
毎年の正副議長の改選は市民感情とはかけ離れたところで、自身の栄誉のためになされているようにみえることを、議員は肝に銘ずるべきです。

                     

蒲郡市会議員会派一覧


★蒲郡市政クラブ(17人)
8期:竹内政住
5期:大場久充、 鎌田篤司
4期:鈴木源六、 竹内政幸、 中野房子、小林康宏
3期:土屋善旦、 白井邦男、 鈴木八重久、坂部傑、
   藤田勝司、 羽多野努
2期:小林武男、 
1期:伴捷文、 斉藤泰一、喚田孝博


★公明党蒲郡市議団(3人)
2期:松本昌成、 伊藤勝美
1期:大竹利信


★蒲郡未来の会(3人)
1期:来本健作、 大向正義、 荘田博己


★日本共産党蒲郡市議団(2人)
6期:柴田安彦
4期:日恵野佳代


★無所属(1人)
12期:山本和市

                     

蒲郡市議会正副議長

年度 議長 副議長
氏名 会派 当選回数 氏名 会派 当選回数
7年 竹内政住 市政 来本嘉治 市政
8年 大竹正人 市政 大場実 市政
9年 山崎賢治 市政 竹内健 市政
10年 大場実 市政 豊田善治 公明
11年 大場久充 市政 鎌田篤司 市政
12年 竹内政住 市政 竹内政幸 市政
13年 鎌田篤司 市政 鈴木源六 市政
14年 大場実 市政 中野房子 市政
15年 鈴木源六 市政 土屋善旦 市政
16年


                     

議員必携  全国町村会議長会編 学陽書房


町村議会の機能を高めるための方策 (昭和58年2月全国町村議会議長会)

1 議会の構成に関する事項
(3)議長、副議長の短期交替の是正

 議長、副議長がその職責を全うし、議会の権威を保持し、住民の信頼に応えるために、法定期間(4年)は在職すべきである。
 しかし、現実には、法定期間在職するのは全体の60%にすぎず、2年あるいは1年交替がみられる。

 
短期交替は議長と長との対等の関係を損ない、議長の議会における代表性と指導性が軽んじられ、また、短期交替によるトラブルなどは、議会の権威を失墜する最も大きな要因である。これらは、とりもなおさず自ら議会を弱体化し、法の趣旨を無視する行為といわなければならない。

 議会の権威の高揚を期し、正常な議会運営を確保するため、議員1人ひとりがこのことを自覚し、勇気をもってこの短期交替の慣行を廃止するよう一層の努力が必要である。


                     

正副議長って魅力あるの? 福岡市議会ポスト争い過熱 
西日本新聞(030514)

 【福岡】 福岡市議会は二十日開会予定の臨時議会で、改選後の新しい議会構成を決める。長年、副議長ポストを独占してきた福政会(みらい福岡に改称)は選挙違反事件など相次ぐ不祥事で議員辞職や離脱が出て、第二会派から第三会派に転落。ポストをめぐる水面下の争いも過熱してきた。そんなに議長、副議長とは魅力的なのか。正副議長経験者の証言を基に、実態を探ってみた。

◆VIP気分 最高級車に秘書も

 「そりゃ、何といっても黒塗りの車に秘書つき。いろいろな式典で市長と同等の立場に置かれ、皇室や国会議員も間近。VIPになったと実感したなあ」と、ある議長経験者は振り返る。

 選挙区内の行事で特別扱いされる姿を見て「『先生も偉ろうなられて』と涙する支持者もおる。後援会の士気も上がった」という。

 正副議長を退いた後もなぜか周辺は「議長」「副議長」と呼ぶことも多いらしい。

◆“看板”の力 発言権さらに強く

 ある副議長経験者は数年前、市の再開発事業について融資銀行団に何度も説明を求めたが、相手にされなかった。ところが、副議長就任直後に連絡を取るとすぐに銀行幹部が説明にきた。「福岡市の副議長という『看板』は強いね」と周囲に自慢げに語ったという。

 福岡市議会の場合、正副議長は第一会派の自民党と第二会派の福政会から選出。そして、正副議長を退いた後は「長老」格として、市長選対応など会派の重要方針決定の会議には必ず出席。行政側も“根回し”は主に長老議員に行ってきた。「正副議長を経験すると会派内はもちろん、行政側への発言権も何倍にも強くなった」と複数の経験者が証言する。

◆マイナス面 多忙で地元手薄に

 手厚い待遇をうらやましがる声がある一方「公務多忙で、自分の選挙区の地域活動ができない」とマイナス面を強調する経験者も少なくない。

 「ポストのたらい回しだ」と批判を浴びながらも正副議長を二年交代で繰り返す理由はそこにあると“解説”する経験者もいる。だが「批判を受けるダメージより、メリットの方が断然大きい。だからポストを争う」(議長経験者)というのが本音のようだ。

 福政会が名称変更を決めた四月の会派会議では、こんなやりとりがあった。離脱をほのめかす若手議員の発言の後、長老格の副議長経験者はずばりと言った。「議長、副議長ポストこそが市議の最終目標。ここは団結すべきだ」。誰からも反論はなかった。



 正副議長は市民を代表し、厳しい目で行政をチェックしなければならない議会のリーダー。待遇にふさわしい仕事をしているかどうか。その仕事ぶりが、市民の判断材料の一つとなる。


                     

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送