◆バカの壁(040118)
 昨年来、ベストセラーとなっている「バカの壁」。中日新聞の中の中日春秋に行政で引用された記事が載っていました。

 また、NHKテレビ(040115)のクローズアップ現代では「市町村から国を変える大改革」と題し放映されました。その中で、2つの市町の大改革の取組を紹介していました。.

 一つは
埼玉県志木市で、市民委員会が予算づくりに参加しているものでした。従来、市長の意向に添い役人が原案を作成し、議会提出前に議員と調整しているものと思われます。毎年予算を組むわけですので、ともすれば市長、議員、役人のなれ合いに陥ってしまう危険があります。本当に市民が必要とする事業予算が組み込まれているのか、しがらみのない市民が検討する。すばらしい試みだと思います。

 もう一つは
京都府美山町で、町を5つの地域振興会(コミュニティー)に区分し、その振興会毎に自由に使うことのできる金300万円を与えています。従来、困ったことを町に陳情し、町が対応していました。町民は町に話をすれば何でもしてくれると思いこんでしまい、本来、自分がしなければならないことまで町に押し付ける風潮がありました。自分らの町は自分らが作るという意思(住民自治)を持つことは、個々が心豊かに生活を送ることのできる第一歩であると思います。互いに意見を出し、実行する中で、心のふれあいができるはずです。

 これら2つの市町の試みは、他市町村でも着実に増えています。行政改革の積極性があまり感じられない蒲郡市も、乗り遅れないようにしていただきたいと思います。

 財政難の日本。だからこそ従来と発想の転換をし「バカの壁」を突き破る行動力が求められています。


                     

中日春秋   中日新聞(040106)

 養老孟司さんのベストセラー「バカの壁」。昨日の仕事始めで名古屋市長の松原氏が年頭所感に引用した。

 「従来の慣行を変えるとあつれきが生じるので今まで通り進める、といった例があるのではないか。それの何がいけないのかと思うのなら、それがバカの壁だ」。そう語って「
波風立てることを恐れず壁に挑んでほしい」。道路清掃談合汚職で揺れた市の体質改善の決意である。

 「壁に塗られた田螺」という言葉があり、身動きがとれない意味だ。法をまげても議員の口利きに応じた職員の姿は、思考や判断まで慣行の壁に塗り込まれた田螺か。そんな壁を破ろうと
市は議員らから働きかけがあった場合、ホームページで公表する制度を新設する方針を固めている。

 議会との緊張関係を保つため、答弁調整などの根回しも見直す。調整どころか議員のために質問を作る例を他で聞いたことがある。これではもたれ合いで、政策は進歩しまい。
長野県は昨年、議員からの質問取りもやめた。摩擦も生じ手間がかかろうが、民主主義とは本来、手間がかかるものであることを覚えておきたい。

 「壁」は昨日、岐阜県知事の梶原氏も語っている。「政府は中央集権が絶対だという”バカの壁”に囲まれている。地方六団体が鉄の団結でぶち破る精神で頑張る」と。自治体や議会が積年の壁を崩して、検証機能などの力をつける。それも、地方を下に見がちな中央の壁を破って、分権につながっていこう。

 
波風立てても、の意思表示。エールを送りつつ、役所ばかりでなく自らの壁も省みたい。

 

                     

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